身近な生活者の視点や考え方が地球規模の問題解決につながっている
2011年の東日本大震災の際、被災後の避難所での生活等を通して明確になったことは、家族や地域の「絆」の強さの重要性でした。人が身につけた衣食住に関する能力とそれらを存分に発揮したことによる被災者相互の献身的で意欲的な取組みが、あの困難な状況を乗り切った原動力でした。
これらの「生きる力」を育むことができる学科が生活環境科であり、衣食住の全ての領域について、行動力や実践力を身につけるとともに、技能の習得を目指します。
生活環境科で学ぶ意義は、知識の習得のみならず、協力して働くこと、実際にやってみること、まとめること、発表すること、幼い子どもやお年寄りなどの異年齢集団と交流することなどから、家族や社会と向き合い、生涯を見通す目標をもち、課題を解決する力を身につけていくところにあります。
大震災後の社会状況から、近年は、人や生きものの命の尊重、他者への思いやりの心を育てることなどが重視されつつあります。生活環境科では机上の学習だけでなく、多くの人とのつながりから人としての生きる力を学びます。
家族という小さな営みが基本となって、社会や地球規模の動きにつながっていきますので、生活者である私たちの行動を抜きにしては、現代社会や地球規模の問題の解決もあり得ないと言えます。したがって、生活者の視点や考え方はきわめて大切です。
本校生活環境科の概要
本校の生活環境科は一般教養を身につけるとともに「家庭」に関する専門科目を学習し、将来、生活産業のスペシャリストとして活躍できる人材の育成を目指しています。
生活環境科の特色を示す専門科目「生活環境」では、福祉や消費生活について学習し、「人にやさしく、地球にやさしい生活」をするために日頃どのように行動すべきかを学びます。3年次には、食物・被服・保育の3つの分野から選択し、より高度な内容について学習します。また、実験や実習、家庭クラブ活動を多く取り入れるとともに、家庭科技術検定をはじめ、多くの資格取得にも力を入れています。
進路については、7割程度の生徒が大学や短大、専門学校に進学しています。卒業生の多くは、保育士や調理師、栄養士等、地元の生活産業分野で活躍しています。
家庭クラブ活動紹介
桜井高等学校では、家庭クラブ活動に取り組んでいます。家庭科の学習を生かして、アイディアを出し合いながら活動を行っています。
In Sakurai High School, the students work on the activities of Future Homemakers of Japan.
In our activities we are making use of what we study in our Home economics lessons and sharing our ideas.
【手作りマスクで届ける想い 感染予防呼びかけ ~マスクVSコロナウイルス~】
新型コロナウイルス感染症が拡大し私たちの生活が大きく変わりました。学校は臨時休校となりましたが、私たちにできることがないか考え、身近なものでマスクを作ることにしました。
今まで培ってきた能力を生かし、一人ひとり違った個性のあるマスクを作りました。
【Feelings sent by hand made masks and calling for prevention against infection ~masks vs corona virus ~】
Our life changed by the expansion of new corona virus infection.
The school was temporarily closed, but we thought there was something we could do, so we decided to make masks with something familiar to us.
Utilizing the abilities we have cultivated so far, we created unique masks and they are original for each person.
【愛を込めた「手作りエプロン」贈呈】
黒部市社会福祉協議会から依頼を受け、エプロン製作を行いました。赤い羽根共同募金の模様の布を使い、科目「ファッション造形」選択者が中心となって製作を進めました。
赤い羽根共同募金のイラストが入った布を利用しマスクケースも製作しました。
【Presenting “handmade aprons” with love 】
We accepted a request from the Council of Social Welfare in Kurobe, and we made aprons.
Using the clothes of the pattern of the red feather community chest, the students studying “Fashion modeling” played a central role in this production.
We also made masks cases using the cloth with the illustration of the red feather community chest.
【家庭クラブ週間】
毎年、家庭クラブ週間では、家族へのプレゼント作りを行っています。今年はあづま袋を一人ひとつ作りました。1年生は3年生に教えてもらいながら、慣れない手つきで手縫いやミシン縫いを頑張っていました。一人ひとり日ごろの感謝をこめて丁寧に作業しており、とてもいい物に仕上がっていました。
【Future Homemakers of Japan week 】
During the Future Homemakers of Japan week, we make presents for our family every year. This year we made azuma bukuro.
First year students tried hand sewing and used sewing machine taught by third year student.Each student worked politely with thanks. They made very good azuma bukuro.
【交通安全マスコットづくり】
家庭クラブでは、交通安全週間にマスコット作りを行っています。「安全に帰る」という意味を持つカエルのマスコットです。みんなが事故のないようにと気持ちを込めて作っています。今年度はコロナウイルスの影響で地域の方々に直接配布することができなかったため、保育所の子どもたちにプレゼントしました。
【Making traffic safety mascots】
Future Homewakers of Japan makes mascots during traffic road safety week.
That is frog mascot, which means “go home safety .“
We made them praying for the safety. Because of the corona virus, We couldn’t give them out personally for local resident this year, We gave them nursery school children.
【バリアフリー大作戦!~ 車椅子編 ~】
生活環境科3年生の科目「子ども文化」選択者が土木科1年生に車椅子の乗り方や押し方などを教える実習を行いました。参加者全員が楽しく真剣に取り組みました。これまで学習した内容を伝えることができました。
【Barrier-free big project! ~Wheelchair Version~】
The third graders studying “children and culture” tautht the first graders of Civil engineering course how to take wheelchair and how to push.
All participants worked on merrily and earnestly.
We could tell them what we had learned.
【生環から普通科、土木科へ エコバック講習会】
生活環境科の3年生が普通科、土木科の1年生に新聞エコバッグの作り方を教え、製作してもらいました。 富山もようの新聞紙を使用し、富山らしいエコバックが完成しました。身近なものでエコバッグが作れることを知ってもらい、環境への関心も高まるきっかけになると嬉しいです。
【Held an eco-bag class from Home economics course to General and Civil engineering course】
Home economics course students taught general and Civil engineering course students how to make Eco shopping bags, and made them together.
We used the newspaper with Toyama design, and eco shopping bags just like Toyama were completed. We want everyone to know that we can make eco shopping bags with familiar items, and we’ll be happy if everyone gets a chance to grow the interest in our environment.
【My Bag Design】
令和2年7月に、コンビニなどでもレジ袋が有料化されました。
私たちは、これまで学んできたことを生かし、若年層を対象にした『高校生マイバックデザインコンテスト』に作品を応募しました。
その中には、SDGsやフェアトレードのメッセージ性を持たせたバッグのデザインなどがありました。コンテストでは、桜井高校の生徒の作品が最優秀賞を受賞しました。
【My Bag Design】
In July of the 2nd year of Reiwa, plastic shopping bags were charged at convenience stores. Taking advantage of what we have learned so far, we applied for the works in the “High School Student My Back Design Contest” for young people.
Some bags have desingns with a message of SDGs and fair trade.One of the Sakurai high school student’s bag received the highest award in the contest
【体も心もぽかぽかに】
生活環境科3年生の科目「子ども文化」選択者を対象に、身体表現技術講習会が開催されました。
富山大学人間発達科学部の 澤 聡美 先生に来ていただきました。子供から高齢者までの幅広い年齢の方と楽しくできる体操やレクリエーションを教えていただきました。
【The body and heart are warm】
A physical expression technology class was held for those who chose the subject “Children’s Culture” in the third year of Department of Living Environment.
Dr. Satomi Sawa from the Faculty of Human Development Sciences, University of Toyama visited us. He taught us gymnastics and recreation that can be enjoyed with people of all ages, from children to the elderly.
※R元年度の活動
新型コロナウイルス感染症対策のため、今年度は、実施できなかったものを紹介します。
Here are some things examples we could not do this year because of the corona virus.
【保育実習】
保育所訪問や保育実習を通し、乳幼児とのふれあい方や子供についての学びを深めています。
事前に活動内容の計画や準備を行い充実した活動をすることで、今後生かせるような経験をすることができます。
【Childcare traning】
We can learn about babies and infants, and deepen how to contact and child, through our visit to the nursery school and childcare practice.
You can have an experience that you can utilize in the future.
【レッツラ SDGs!!】
最近話題のSDGs。私たち生活環境科では、一足先に勉強していました。グループを作り、SDGsに関係することを自分たちで調べ、画用紙にまとめました。SDGsを知らない人が聞いても大丈夫なくらいわかりやすく丁寧にまとめ、発表しました。また、普段の生活にもSDGsを積極的に取り入れ、自分もみんなも豊かな生活を目指しています。
【Let’s SDGs !!】
SDGs is a recent topic. We started studying this topic earlier. We made groups and we searched for things about SDGs. We integrated them on cartridge papers.
The presentation was made in an easy-to-understand format even for those who do not know the SDGs.
In addition, we are actively incorporating SDGs into our daily lives, aiming for a prosperous life together.
【思いやりを大切に~福祉施設訪問~】
越路さくらや新川ヴィーラなどの福祉施設を訪問しています。
訪問する前に授業で、どのようなレクリエーションが喜んでもらえるのかを考え、準備しました。レクリエーションでは、貼り絵や歌を歌い、利用者のみなさんと、楽しい時間を過ごしました。
【Be considerate-Visit to welfare facilities-】
We are visiting welfare facilities such as Koshiji Sakura and NIikawa Vila.
We thought what kind of recreation they liked, and we prepared it for them.
At the recreation, we made collage and sang a song together and had a nice day.
【愛は地球を救う~エコキャップ~】
桜井高校では、ペットボトルの回収ボックスを設置し、エコキャップ運動を行っています。環境について考えるきっかけにしようと、みんなでできることから実践しています。
集めたペットボトルキャップは、毎年地域の団体にお渡ししています。リサイクルの目的とともに、発展途上国での医療支援に活用されています。
【Love saves the earth ~ Eco cap ~】
At Sakurai High School, we have set up a collection box for PET bottles and are conducting eco-cap campaign.
We practice what we can do to give us an opportunity to think about the environment.
The collected PET bottle caps are handed out to local organizations every year.
It is used for medical support in developing countries as well as for recycling purposes.